研究室について
北海道大学大学院工学研究院 応用量子科学部門
原子力支援社会基盤技術講座(寄附分野)
設置期間:R2.4.1~R8.3.31
人々の生活を守る原子力社会基盤技術
発展途上国が先進国と同じエネルギー消費レベルの生活に達すると,地球の化石燃料は5年も持たないと言われています。エネルギーと環境は人類が共通して直面する課題であり,文明の進歩と共にもたらされたそのリスクと課題の解決は,それをもたらした科学技術者の責任でもあります。
リスクは海洋帆船が狭い海峡を通る時の言葉が由来であり,リスクを克服し海洋を乗り切り富をもたらすことが本来のリスクの語源とも言われています。文明の進歩と共にもたらされたそのリスク,現代科学技術の著しい進歩と共にもたらされた複雑なリスクに,科学技術者は勇気をもって高い技術でリスクに挑戦し人類を救わなければならない責任があります。
研究室の目標
人々の生活を守る社会基盤技術の一つである原子力基盤技術は,枯渇する化石エネルギーがもたらすリスクを現状の再生エネルギー技術だけで回避し得ないのが明かである限り,歴史が繰り返した幾つもの資源争奪戦争を回避する科学技術の選択肢として,いま放棄する選択は在り得ません。資源の貧しい我国において,豊かな生活を支える安全で安定して供給のできる複数のエネルギー源は必須です。我国が世界最先端の科学技術とその絶えざる進歩で蓄えた莫大な富が,エネルギー消費のために海外に流出するリスクを最小限に抑え,我々と共に我々の子孫が同じように若しくはより豊かな生活を望み営み続けるために,未来に耐えうる確固たる安全な原子力基盤技術を,過去の反省に立ち驕らず未来に託す挑戦を続けます。